2024.3.28

子育て世帯のマイホーム購入・戸建てとマンションの各特徴や家選びの重要ポイントを解説

子育て世帯のマイホーム購入|戸建てとマンションの各特徴や家選びの重要ポイントを解説
結婚をして子どもが生まれたばかりのご夫婦にとって、マイホーム購入は、子育て環境を整えるうえで非常に大切な目標の一つになるはずです。ただ、マイホームには、大きく分けて戸建てマンションの2種類があります。

例えば、戸建ての場合、既存の中古住宅や建売住宅を「買う」ほかに、自分が購入した土地に「新しく建てる」ことも可能です。「買う」と「新しく建てる」では、実際に住むまでのスケジュールや問い合わせ先なども大きく変わってきます。

マイホーム購入に向けて準備を始めるのであれば、「戸建てとマンションどちらにするか?」について早めに考えておくことが大切です。今回は、子育て世帯の視点から、以下の5項目について戸建てとマンションの特徴を見ていきます。

子育て世代の視点
  • のびのび子育てできるか
  • 防犯性は高いか
  • 日常的な手間はかかるか
  • 防災性は高いか
  • 家族の変化に応じた改修ができるか

記事の後半では、自分の家族に合うマイホームを選びで大切なポイントも紹介しましょう。

子育て世帯が求める「戸建て・マンション」の特徴

子育て世帯から見た「戸建て・マンション」の特徴
子育て世帯の場合、これから購入する家で子どもを育てていくわけですから、いわゆる単身者や高齢世帯などとは違った視点でマイホーム選びをする必要があります。

ここでは、子育て世帯が重視する以下5つの項目を通じて、戸建てとマンションの一般的な違いを見ていきましょう。

  1. のびのび子育てできるか
  2. 防犯性は高いか
  3. 日常的な手間はかかるか
  4. 防災性は高いか
  5. 家族の変化に応じた改修性は高いか

それぞれ見ていきましょう。

のびのび子育てできるか

「のびのび子育てできるかどうか?」という点では、戸建てに軍配があがることが多いです。最大の理由は、戸建ての場合、マンションと比べて隣近所との距離がそれなりに離れているからとなります。

戸建てでも窓を開けていれば、子どもの鳴き声や笑い声などが外に漏れて聞こえることもあるでしょう。ただ、壁を隔てた隣に人がいるマンションと比べれば、その影響は少ないはずです。また、戸建てであれば、小さな子どもがドタバタ足音をたてて走り回っても、下階のことを気にする必要もありません。

なお、戸建てに広い庭があれば、プール遊びや家庭菜園などを楽しみながら、家族で自由にのびのび過ごすことも可能となります。

戸建てのメリットである広い庭が、子どもの遊び場や家族でのんびり過ごす場所として重要であることに加え、隣近所との距離感が遠いことでプライバシーが保たれる点がポイントです。

防犯性は高いか

子育て世帯がマイホームに住む場合、空き巣や強盗のほかに、侵入者から子どもを守る対策も必要となってきます。具体的な防犯性は物件によって異なりますが、一般の戸建てとマンションで比べた場合、マンションの防犯性に軍配が上がることが多いです。

侵入窃盗の発生場所別認知件

画像引用元:LIFUQU note

その最大の理由は、一般の戸建ての場合、玄関ドア・勝手口・窓・ベランダといった多くの侵入口があるからとなります。例えば、買い物などに出かけるときにこれらの侵入口を開けっ放しにしておけば、空き巣などに狙われる可能性が高まるでしょう。

一方で、例えば2階以上のマンションであれば、親が外出していて室内が子どもだけになる場合であっても、戸建てほど神経質になる必要はありません。

注意ポイント

マンションの防犯性が高い一方で、戸建てはセキュリティ面での自由度が高く、家族の安全を確保するために防犯対策をしっかりと考える必要があります。

日常的な手間はかかるか

マイホームを購入した場合、住宅をきれいに保ち安全に暮らすために、ある程度の「手間」がかかるものです。ただ、日常的にかかる手間のボリュームで見ると、戸建ての負担のほうが大きいことが一般的になります。

例えば、庭付きの戸建てを買った場合、2週間~1か月に1回ペースで草むしりをする必要があります。また、いわゆる雪国の場合、朝昼夕の1日3回、除雪が必要な日もあるでしょう。

その点、マンションであれば、玄関ドアのなかである専有部分の掃除やメンテナンスさえすれば良いことになります。子育て中のパパやママの場合、草むしりや除雪から開放されるメリットはかなり大きいでしょう。

戸建ては庭の管理や除雪などの手間がかかる一方、マンションは管理組合による共通施設のメンテナンスがあります。生活スタイルや忙しさに合わせて、手間の度合いを考慮することが重要です。

防災性は高いか

近年では、大地震や大型台風による集中豪雨などの自然災害が、全国各地で起こるようになりました。こうした時代に安全な環境で子育てをするためには、マイホームに防災性を求めることも大切になります。

東日本大震災および西日本豪雨の際に建物被害が大きかったのは、戸建てのほうでした。建物被害の状況は、耐震基準が備わっているか否か、立地環境や地震の震度などによっても変わってきます。(下記参照)

新耐震と旧耐震

画像引用元:イエウール

そのため、「防災性で選ぶなら○○が良い」とは一概にいえません。ただ、2階以上のマンションでは浸水被害に見舞われる可能性は低いですし、地盤に液状化現象などが起きても建物の主要構造部まで影響を受けるケースが少ないようです。

なお、戸建住宅の場合、マンションと比べて窓の数も多いことから、大型台風前などにはたくさんの補強をする手間もかかります。また、台風によって「屋根の一部が剥がれた」や「庭の木々が倒れた」となれば、それらの対応も必要です。

迫りくる自然災害に対して「どのくらいの対策が必要か?」や「どういう家に住めば安心か?」は、一概にこれといえるものではありません。ただ、これだけ自然災害が多い時代に、少ない負担で防災性が高い家に住むのであれば、戸建てよりもマンションがおすすめとなるケースが多いでしょう

注意ポイント

自然災害への対策として、マンションは耐震性や浸水リスクが低い利点がありますが、戸建ては個別対応が必要です。適切な防災対策を行うために、住まいの特性や地域のリスクを考慮することが重要です。

家族の変化に応じた改修性は高いか

子育て世帯の場合、子どもの成長や義父母の高齢化などにともない、家の使い方や求めることが変わることが多いです。その点、戸建て住宅であれば、以下のように家族の変化に応じた改修工事を行なうことで、愛着のある家に長く住み続けることも可能となります。

家族の変化に応じた改修工事
  • 妻が2人目を妊娠したため、子ども部屋をもう1つ増やす必要がでてきた(当初は1人だけの予定だった)
  • 夫の母親と同居することになり、バリアフリー化が必要になった
  • 子どもが独立したため、夫婦2人が余生を過ごすための家に変えたくなった
  • 夫の事務所や、妻のピアノ教室を自宅内に作りたくなった

一方でマンションの場合、改修工事の自由度は低いです。マンションでももちろんリフォーム・リノベーションは行えますが、それは管理規約のなかで決められた範囲内になります。

 

▶子育て世帯が求める「戸建て・マンション」の特徴まとめ

 

項目 戸建て マンション
のびのび子育て
防犯性は高いか
日常的な手間はかかるか
防災性は高いか
家族の変化に応じた改修性は高いか

家族のライフスタイルに合うマイホームを選ぶ

家族のライフスタイルに合うマイホームを選ぶ
実際のマイホーム選びで、最も大切なことがあります。それは、「自分たち家族のライフスタイルや価値観に合っているかどうか?」です。

ここまで整理してきた戸建てとマンションの特徴も、もちろん参考にする必要があります。ただ、後悔のないマイホーム選びをするうえでは、一般的なメリット・デメリットにとらわれるのではなく、「自分たちにとってどちらが良いか?」で考えることが最も重要です。

「どんな家でどんな子育てがしたいか?」を話し合う

まず、マイホームでの子育て生活について、夫婦のそれぞれが思い描くイメージを話し合ってみましょう。子育て生活のイメージを言語化すると、以下のように自分たちにとって必要・不必要な条件が見えてきます。

夫婦が思い描くイメージ
  • 週末は、外でバーベキューをやりたい(広い庭が必要)
  • 子育てしながらの除雪はきつい(除雪がないマンション希望、立体駐車場付きが理想)
  • 毎週末は家族でレジャーに行くから、庭は要らない(マンションでも良いのでは?) 
  • 子育てでは、実家のサポートが必要(実家に近ければ、戸建て・マンションどちらでも良い)など

中長期的な視点を持つことも大切

マイホーム選びの後悔を最小限にするには、いまの「子育て中」という短期的な視点でのほかに、「子どもが独立したあと」や「義父母が亡くなったあと」などの中長期的視点も持つことが大切です。将来的に「住み替えするかどうか?」も一つの目安になります。

一般社団法人不動産流通経営協会が2019年6月に実施した「シニアの住宅に関する実態調査」によると、「45歳以上で住み替え経験あり」もしくは「45歳以降で住み替え意向あり」の人の合計は、全体で5割を超えていることがわかっています。

45歳以上の住み替え経験ありに関するデータ

出典:一般社団法人不動産流通経営協会「シニアの住宅に関する実態調査

例えば、子どもの独立後、「夫婦2人で暮らせる小さな家に引っ越す」などのビジョンがある場合、いま購入する家では「子育てのしやすさ」や「売却時の資産価値の高さ」などが重要となるでしょう。

一方で、子どもが独立しても「終の棲家」として同じ家に長く住み続けるのであれば、子育て面のメリット・デメリットだけでなく、将来的なバリアフリー化などを含めたトータルバランスで見ることも大切になります。

マイホーム選びでは、現在のニーズだけでなく将来の状況も考慮し、後悔を最小限にすることが重要です。

まとめ

まとめ
今回は、子育て世帯が重視する5つの視点から「戸建てとマンションのどちらが良いか?」について考えてみました。

一般の皆さんがマイホームを選ぶ際には、最初に「どんな家でどんな子育て生活をしてみたいか?」を夫婦で話し合うことが大切です。また、夫婦が重視するポイントが異なっていたり、実現したいことがたくさんある場合は、この記事で紹介した一般的なメリット・デメリットなどを参考にしながら、希望条件に優先順位をつけてみてもよいでしょう。

話し合いをしっかりしておくと、マイホーム購入の意思決定もしやすくなります。

マネクラではお客様のお金に関する相談に無料で対応しております。
実績あるFPがしっかりとヒアリングさせていただき、お客様にあったプランニングをさせていただきます。是非お気軽にお問い合わせください。

まっさん先生

監修者まっさん先生

ファイナンシャルプランナーとして15年、プランニングに関しては5000人以上の実績あり。中立的な立場から無駄・無理のないライフプランをプランニングしています。自身でも独身時代から不動産投資や株式投資などの様々な投資や節税対策を実践しており、失敗談等を交えた等身大のコンサルティングに定評がある。

特に節税分野に関しては国税出身の専門税理士と幅広く協業しており、法人を活用した個人の所得税関係のライフプランニングを得意としている。

プライベートでは、1男1女の父親として育児に奮闘中。家族単位で将来を見据え計画的に資産を形成していくライフプランニングが特徴。