2023.11.27

契約前にちょっと待った!管理費と修繕積立金をちゃんと理解してますか?

タイトル

管理費や修繕積立金を徹底解説

マンションを購入する際に、毎月かかる費用は住宅ローンの返済だけではなく、管理費や修繕積立金の支払いも必要であることはご存知だと思います。

月々の支払いで比較すると、管理費や修繕積立金は住宅ローンの返済額よりも少ない金額ですが、「相場はいくらくらいなんだろう?」「もう少し安くすることはできないのかな?」と考えている方もいるでしょう。
一見、安ければ安いほどいいと考えてしまいがちですが、将来的なメンテナンスに使われるためのお金なので、実際はそう単純ではありません。

また、購入してから数年後にいきなり値上がりする場合や、マンション共有部分の修繕のために高額な一時金がかかる場合もあるため、注意が必要です。

今回はマンションの管理費と修繕積立金とは一体何なのか、どんな特徴があるのか、修繕積立金の目安となる金額を知る方法について解説していきます。将来的に何にどれくらいのお金がかかるのかを理解して、マンションの購入を検討するようにしましょう。

管理費と修繕積立金

管理費とは、マンションの共用部分にある設備等の維持管理に充てる費用のことを言います。
マンションの設備を点検する費用や、共用部分の清掃費用・水道光熱費、管理人の人件費などが管理費に含まれています。

修繕積立金は、建物の現状診断や修繕工事を行うため積み立てられている費用のことです。マンション組合を作りそのマンションを所有している部屋の持ち主1人1人から毎月決まった金額を集め、
将来的な大規模工事に備えて積み立てていこうというモノになります。金額は長期修繕計画に基づいて定められ、そのマンションに住んでいる戸数によっても変動します。

長期修繕計画とは

長期修繕計画とは、マンションの老化を防いで性能を維持するために、管理組合が作成する長期的な修繕計画のことです。

管理費と修繕積立金が必要な理由

管理費と修繕積立金が必要な理由

ではなぜマンションの管理費と修繕積立金は必要なのでしょうか?

管理費が必要な理由

管理費は、マンションの住人が毎日快適に生活できるよう、共用部分を維持するために必要な費用をマンションの購入者でお金を出しあうものです。ゴミが散らかっている、植木はメンテナンスされていない、エレベーターの電気が切れそう、など管理をしないとどんどん劣化していきますよね。

そのため、建物の維持に必ず必要な費用なので、そのためマンションの購入価格に含まず、毎月の各所有者の負担で管理されています。

修繕積立金が必要な理由

最近のマンションの耐用年数は、50年や100年とも言われていますが、それだけ長期間住み続けるのであれば、マンションの外壁や、エレベーターや機械設備、機械式駐車場などの修繕を行わなければなりません。

大規模な工事で12年や15年などで行われるものが多く、その工事費用も非常に高額になります。修繕積立金は、その積立額の大部分が修繕工事の時に使われます。大規模な修繕工事の度に、所有者がお金を出しあうのは非常に大きな負担になってしまいますので、修繕工事ができなくなる事態を避けるために、計画的に積み立てを行っているんですね。

つまり修繕積立金とは、マンションのメンテナンスや工事をおこない、できるだけ長く住み続けるために必要不可欠な費用ということです。

修繕積立金の目安を知る方法

修繕積立金の目安を知る方法

では修繕積立金の目安を知る方法はあるのでしょうか?実はあるんですね!修繕積立金の目安については自分でも簡単に計算できます。

では早速解説していきましょう。

マンションの修繕積立金を知るには、平成23年に国土交通省が公表した「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」を参考にしましょう。

そのガイドラインを基に所有者1人当たり修繕積立金の適正額の目安について計算してみましょう。マンションの修繕積立金目安はこちらの計算式で求められます。

修繕積立金の適正額の目安の求め方

y=ax+b
y:修繕積立金額の目安
a:専有床面積(1㎡あたり)の修繕積立金額
x:専有床面積
b:機械式駐車場がある場合の加算額

まずaの「専有床面積あたりの修繕積立金額」から説明していきましょう。1㎡あたりの平均値は資料内に明記されているので、簡単に計算できます。

こちらの図をご覧ください。

専有床面積あたりの修繕積立金額
 

地上階数や建築延床面積によって1㎡あたりの修繕積立金額の平均値を確認することが出来ます。ここから専有面積(x)を掛ければ、「専有床面積あたりの修繕積立金額」が分かります。

つづきまして、bの「機械式駐車場がある場合の加算額」について解説します。
こちらの図をご覧ください。

機械式駐車場がある場合の加算額

機械式駐車場がある場合の加算額

b=機械式駐車場の1台あたりの修繕工事費×台数×各住戸の負担割合
※一般的に、負担割合は「専有部分の床面積割合」としている場合が多い額

機械式駐車場がある場合には修繕工事のコストが大きくなります。図に記載している月額は1台当たりの修繕工事費となっており、ここから台数と各住戸の負担割合を掛けて計算していきます。

これだけの説明だとなかなか理解しづらいと思いますので、実際に計算してみましょう。

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