不動産投資とは?|代表的なメリット・リスク、インカムゲインを得るための戦略も解説
不動産投資は、年金不安が生じる人生100年時代に新たな資産運用の選択肢として注目されています。ただ、不動産投資がどういうものかわからない人にとっては、「マンションやアパートなんて買うお金がない」などのネガティブなイメージから、敷居が高く感じるかもしれません。
そこで今回は、投資の初心者向けに不動産投資の概要と種類、メリット・デメリットなどを解説します。記事の後半では、不動産投資の一般的な戦略も紹介しましょう。
INDEX
不動産投資とは
不動産投資とは、何らかの利益を得る目的で不動産関連の事業や商品に資金を投入することです。主な利益には、以下の2種類があります。
- 【インカムゲイン】不動産を誰かに貸すことで得られる利益(賃料収入)
- 【キャピタルゲイン】不動産を買った以上の金額で売ることで得られる利益
不動産投資の投資対象
不動産投資には、以下のように多くの種類があります。
- 一棟ビル
- 一棟マンション・アパート
- 区分マンション
- 戸建て
- シェアハウス・民泊
- 駐車場・駐輪場
- トランクルーム
- 小口化不動産
- REIT
例えば「ビル一棟をまるごと買い多くの企業や個人に貸す」のと「区分マンションの一室を買い、1人の入居者に貸す」では、必要となる初期費用や運用の手間なども大きく変わります。
不動産投資を始める際には、それぞれの特徴を把握したいうえで、予算・ライフスタイル・期待するリターン・リスクなどのイメージが自分と合っているものを選ぶことが大切です。
少額からでも始められる不動産投資の種類と概要を「少額から始められる不動産投資7選|初心者も挑戦しやすい投資財の特徴と各メリットを解説」の記事で解説しているのでぜひご覧下さい。
近年における不動産投資のトレンド
不動産投資で期待する利益や投資対象は、時代によって異なります。例えば、1980年後半のバブル期は、土地の価値がどんどん上がっていたことから、短期的な視点でキャピタルゲインを目的とした不動産投資が主流でした。
一方で近年は、人生100年時代の備えに注目が集まっていることから、毎月入る賃料収入(インカムゲイン)を期待した長期的な不動産投資が人気です。
不動産投資の代表的なメリット
先述のとおり、不動産投資にはさまざまな投資対象があります。そのため、具体的な特徴や期待できるメリット・注意点などは、何を選ぶかで変わってくるものです。ただ、不動産投資と、株式投資や投資信託といったほかの投資対象と比べると、代表的なメリットとして以下があげられます。
ミドルリスク・ミドルリターンである
国内不動産への投資では、以下のような投資対象と比べてリスクが低い傾向があります。
- 仮想通貨
- 先物取引
- FX
- 投資信託(アクティブ)
- 株式投資
具体的なリターンは何を運用するかで変わる側面もありますが、投資信託よりも不動産投資のほうがリターン高めという声が多いです。
インフレに強い
不動産投資の多くは、現物資産です。現物資産の場合、インフレになっても物理的な存在は同じであるため、株式や債券などと比べて価格変動が起こりにくい特徴があります。
また、インフレになると、インカムゲインにつながる家賃相場が上昇するのが一般的です。ただ、入居者の視点で考えると、家賃が上がっても住む家の必要性は変わりません。そのため多くの場合、インフレになっても不動産の需要はあまり変わらないと考えられます。
したがって不動産投資には、経済状況に合った収益性が期待できる利点があります。
少ない自己資金でも始められる
例えば、株式投資を始める場合、投資家が自分で費用全額を用意する必要があります。なかには、いわゆる証券担保ローンを用意する金融機関もありますが、ハイリスク・ハイリターンの投資をするために多くのお金を借りることは、あまり得策とは言えません。
これに対して不動産投資は、現物資産であることから、金融機関の不動産投資ローンで借りた資金を充当しやすい投資対象です。例えば、アパート一棟への投資を始める場合、物件価格の1~3割ほどの自己資金+金融機関の融資で物件購入できるケースが多いとされています。
不動産投資のメリットと詳細
メリット | 詳細 |
---|---|
ミドルリスク・ミドルリターン | 国内不動産への投資は、仮想通貨や株式投資、投資信託よりもリスクが低く、安定したリターンを期待できる |
インフレに強い | 現物資産である不動産は、インフレによる価格変動が起こりにくく、家賃相場の上昇が見込める |
少ない自己資金で始められる | 金融機関の融資を利用すれば、少ない自己資金で不動産投資を始めることができる |
不動産投資の代表的なリスクと注意点
不動産投資で物件を貸してインカムゲイン(賃料収入)を得ようとする場合、物件の選び方や運用方法を誤ったりすると、以下の問題に直面しやすくなります。
空室発生のリスク
どんなに素晴らしい物件でも、そこに誰も入居しなければ家賃収入も入らず宝の持ち腐れです。空室が生じやすい不動産物件には、以下のような特徴があります。
- 需要があまり高くないエリアである
- 老朽化などで物件の価値が低下している
- 事故物件である
不動産投資でインカムゲインを得るためには、空室ゼロを目指して需要が高い条件の物件を探すことが大切です。
支出や手間が増えるリスク
例えば、中古物件を破格値で購入しても、経年劣化で多くの修繕や設備交換が必要になれば、支出の分だけ利益が減ることになります。
戸建てやアパート一棟の投資で修繕・設備交換をする際には、管理を委託している不動産会社とのコミュニケーションコストがかかってくるでしょう。このコストや手間は、自分が大家になる場合も当然のことながら生じるものです。
災害リスク
近年の日本では、大型台風・集中豪雨・大地震といった自然災害で、不動産物件に損傷などが起こるリスクも高まっています。損傷箇所の修繕にはいわゆる損害保険を使用できる可能性が高いですが、ただ、洪水による床上浸水や大地震による家屋の倒壊となれば、その物件を復活させることが難しくなるかもしれません。
自然災害によって余計な支出が増えたり、不動産投資自体を続けられなくなったりする問題を防ぐためには、国土交通省のハザードマップなどを見て、購入物件がどのような土地に建っているのかを確認する必要があります。
不動産投資のリスクと詳細
リスク | 詳細 |
---|---|
空室発生のリスク | 需要が低いエリアや老朽化した物件では、空室が生じ、家賃収入が得られない可能性がある |
支出や手間が増えるリスク | 中古物件やアパート一棟投資では、修繕や設備交換のためのコストと手間がかかる |
災害リスク | 自然災害による損傷や復旧不可能な場合があり、追加の支出や投資の継続が困難になる可能性がある |
不動産投資でインカムゲインを得るための戦略
不動産を誰かに貸してインカムゲイン(家賃収入)を得るためには、以下のポイントを大切にしながら、物件購入や資金計画などの準備を進める必要があります。
不動産投資の目的・目標を明確にする
例えば、人生100年時代の備えとして不動産投資を始める場合、「老後の資金を何年までにいくら貯めるのか?」を明確にすることが大切です。明確な目的・目標があると、物件を選ぶときに「この部屋を毎月8万円で貸し出せば、2030年までに○○○万円貯められる。そのためには……」という具体的な計画を立てやすくなります。
不動産投資の知識を身につける
繰り返しますが、不動産と投資にはさまざまな種類があります。そのなかで、先述のゴール(目的・目標)を確実に達成するためには、それぞれの特徴・メリット・リスクなどを把握したうえで、最も自分に合ったものを選ぶことが大切です。
また、例えば「親族から相続した物件で投資をする」といった場合でも、不動産会社のお世話になる管理委託と自主管理では、手間やかかるお金も大きく変わります。
少ない手間で利益を最大化するためには、どのような場合でも、書籍・勉強会・セミナーなどで不動産投資の基礎知識を身につけることは非常に重要でしょう。
不動産投資のメリットとリスクのまとめ
不動産投資は、現物資産であることから株式投資や投資信託などと比べて、初心者でもその仕組みが理解しやすい投資対象です。ただ、「空室が埋まらない」や「修繕のコストがかかりすぎる」などの問題が重なると、利益がまったく出ない失敗に陥る可能性もあります。
不動産投資で確実かつ長期的に利益を出し続けるためには、本記事で紹介したポイントを大切にしながら、物件選びなどの準備を進めることが大切でしょう。
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