少額短期保険とは?メリット・デメリットを徹底解説!個性的な3つの商品も紹介
近年では、人生100年時代や度重なる自然災害などの影響から、さまざまなリスクに備えるために保険加入に関心を持つ方が増えるようになりました。ただ、その一方で、最近の物価高騰などの影響から、新たな保険加入を躊躇する方も多くなっています。
こうしたなかで注目を集めているのが、少額短期保険(ミニ保険)です。少額短期保険には、一般の生命保険や損害保険では考えられないような個性的な商品もたくさんあります。
今回は、少額短期保険の概要とメリット・デメリットを確認したうえで、メディアなどで話題の少額短期保険を3商品紹介します。少額短期保険に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
INDEX
少額短期保険とは
少額短期保険とは、平成18年4月1日施行の「保険業法等の一部を改正する法律」によって登場した新しい形態の保険です。第三の保険会社と呼ばれる「少額短期保険業者」が一定の事業規模のなかで、その名のとおり少額かつ短期の保険のみを引き受けるものとなります。
少額短期保険業者と従来の保険会社の違いとは
少額短期保険業者は、以下のような特徴から従来の生命保険会社・損害保険会社とは一線を画する存在です。
少額短期保険業者と従来の保険会社の違い
項目 | 少額短期保険業者 | 従来の保険会社(生命保険会社・損害保険会社など) |
---|---|---|
参入資格と管轄 | 金融庁・財務局による登録制 | 金融庁による免許制 |
生命保険商品・損害保険商品の同時取り扱い | 同時取り扱い可能 | 同時取り扱い不可能 |
保険金額・保険期間 | 制限あり | 制限なし |
最低資本金 など | 1,000万円以上 年間収受保険料50億円 |
10億円以上 |
契約者保護(保険契約者保護機構) | 対象外 | 対象 |
上記の表を見てわかるとおり、少額短期保険には、従来の生命保険や損害保険と比べて小さな企業でも参入しやすい特徴があります。
少額短期保険業者では、いわゆる生命保険と損害保険の同時取り扱い(生損兼営)ができることから、一つの業者内でさまざまな種類の少額短期保険を取り扱うケースも多くなっています。
少額短期保険の魅力とメリット
少額短期保険には、さまざまな種類の商品があります。そのため、具体的な特徴や注意点は、加入する保険商品や契約先となる少額短期保険業者によって異なるものです。
ただ、先述の少額短期保険業そのものの特徴に注目すると、このカテゴリの保険には、以下の魅力・メリットがあることが見えてきます。
- 少ない保険料で加入できる
- 加入期間が短い
- 健康面に不安がある場合も加入できる保険が多い
- 独自性の高い商品が多い
少ない保険料で加入できる
少額短期保険の最大の魅力は、少ない保険料で加入できる商品が多いことです。月々数百円で加入できる保険もたくさんあります。すでに加入している保険の特約が少し高い場合、少額短期保険を併用するといった活用方法も可能です。
加入期間が短い
少額短期保険の保険期間は、生命・医療保険が1年以内、損害保険が2年以内と決まっています。そのため、子どもの卒入学・転勤による引越し・車の買い替えといったライフイベントが重なる時期や、保険の見直しが多い人の場合、長くても2年で契約が終わる特徴が大きなメリットになるかもしれません。
健康面に不安がある場合も加入できる保険が多い
少額短期保険には、糖尿病などの生活習慣病で通院中や服薬中、がんを経験しているといった健康面で不安がある人でも、加入できる保険が多くあります。持病や既往歴で従来の生命保険加入が難しい場合、少額短期保険に注目するのも一つでしょう。
独自性の高い商品が多い
少額短期保険には、たとえば熱中症・旅行キャンセル、結婚式の中止などの「困った」に対応できる独自性の高い保険がたくさんあります。何らかのライフイベントを前に、従来の生命保険や損害保険ではカバーできないリスクに備えたい場合、少額短期保険のなかに対応できる商品があるかどうかを調べてみてもよいかもしれません。
少額短期保険の注意点とデメリット
少額短期保険への加入を検討する場合、以下の点に注意をする必要があります。
- 補償内容や期間が限定されている
- 掛け捨て型のみである
- 保険料控除の対象にならない
- 保険契約者保護機構の対象外である
補償内容や期間が限定されている
少額短期保険の補償内容は、従来の生命保険や損害保険と比べて限定的であることが多いです。そのため、たとえば少額短期のスマートフォン保険に加入する場合、「海外出張先も補償対象になるのか?」などの確認が必要になります。
また、生命・医療保険が1年以内ということは、更新時に年齢要件で再計算が行われることで、保険料が上がる可能性があります。月々数百円などの商品も多い少額短期保険ですが、補償内容や中長期的なスパンで見たときに「本当にお得なのか?」を確認する必要はあるでしょう。
掛け捨て型のみである
少額短期保険には、満期保険金や解約返戻金がありません。それはつまり、人生100年時代の備えとして、中長期的な資産形成を目的とした加入は難しいことを意味します。貯蓄性を重視する場合、従来型の保険のほうが良いかもしれません。
保険料控除の対象にならない
少額短期保険で支払った保険料は、生命保険料控除や地震保険料控除の対象にはなりません。税制上の優遇措置やいわゆる節税を重視する場合、やはり従来型の保険に軍配が上がるでしょう。
保険契約者保護機構の対象外である
従来の生命保険会社や損害保険会社は、保険契約者保護機構への加入が義務付けられています。この機構に加入していると、たとえば保険会社が経営破綻した場合に、ある程度の加入者保護が行われます。
業務開始時に最低1,000万円・毎決算期に所定金額を法務局に供託する制度などはあるのですが、契約者の保護にフォーカスすると、従来の保険会社より劣る部分は否めないでしょう。
個性的な少額短期保険の商品3選
少額短期保険には、ニッチで個性的な保険商品がたくさんあります。ここでは、話題性が高い3つの保険を紹介しましょう。
HARLEY|車両+盗難保険
その名のとおり、ハーレーダビットソンのオーナーに限定した車両+盗難保険です。具体的な補償の可否は状況次第ですが、公式サイトには以下4つの補償が並んでいます。
- 全損補償
- 半損補償
- 盗難補償
- 水災補償
チケットガード
事前にコンサートなどのイベントチケットを購入したにもかかわらず、急な宿泊出張の命令・病気・交通機関の遅延などで観覧をキャンセルせざるを得なくなったときに、補償が受けられる保険です。日本初登場の保険になります。
熱中症お見舞い保険
熱中症に関する保険は、さまざまな業者で取り扱われています。なかでも携帯電話会社のdocomoが運営する熱中症お見舞い保険は、1日80円~当日加入もできるというものです。熱中症になった場合、治療・入院一時金はもちろんのこと、救急搬送見舞金も支払われることがあります。
便利な保険アプリについて「【2024年版】便利な保険アプリ4選|保険の情報管理と見直しの重要性も解説」の記事で解説しているので、ぜひご覧下さい。
少額短期保険のメリットとデメリットまとめ
少額短期保険は、保険料を安くおさえたい人にとって非常にメリットが大きいものです。また最近は、地震・大型台風・猛暑などでさまざまな損害が起こりやすくなっているため、出張・旅行・レジャーなどのリスクに備えるうえで、少額短期保険を一時的に活用するのも一つになります。
少額短期保険には、従来では考えられないような個性的な商品がたくさんあります。インターネットをうまく活用して、自分のライフイベントやニーズに合うものを見つけてみてください。
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