生涯のライフイベントで必要なお金の目安|結婚・出産・子育て・マイホーム購入・老後の費用を紹介
人生100年時代といわれるなかで、自分のマネープランを立て、将来に向けた蓄えをつくることはとても大切です。なお、私たち日本人が一生で使うお金は、平均3億円とされています。
ただし、私たちのお金は、ずっと同じペースで財布から出ていくわけではありません。例えば、これまで実家暮らしをしていた人が、結婚をしてマイホーム購入すれば、ローンを払い終えるまでの間は支出が増え続けるかもしれません。また、生活に必要な金額や支出が増える時期は、人によって異なります。
こうしたなかでマネープランを立てるためには、結婚・子育て・住宅購入……といった各ライフイベントでかかるお金の目安を知っておくことも一つです。今回は、社会に出てから起こりうるライフイベントと平均費用、目安となる考え方を紹介します。将来に向けてマネープランを立てる方は、ぜひ参考にしてください。
5つのライフイベントの費用
それでは早速生涯に起こる5つのライフイベントとの費用について解説していきます。
- 結婚費用
- 出産費用
- マイホームの購入費用
- 子供の教育費用
- 老後の生活費
結婚費用
株式会社リクルート ゼクシィ首都圏が行った調査「ゼクシィ 結婚トレンド調査2023」によると、結納・婚約~新婚旅行までにかかる費用の総額(全国平均)は、415.7万円であることがわかっています。内訳は、以下のとおりです。
- 結納式の費用
- 両家顔合わせの費用
- 婚約指輪
- 結婚指輪(2人分)
- 挙式、披露宴・ウェディングパーティ総額
- 新婚旅行
- 新婚旅行土産
なかでも特に多くのお金がかかるのが、「挙式・披露宴・ウェディングパーティ総額」です。上記の調査では、327.1万円という数字が出ています。
また、結婚では、新婚生活の準備にもお金がかかることが多いです。株式会社リクルートマーケティング パートナーズによる「新婚生活実態調査2018」によると、約7割のカップルが新婚生活に向けた消費を行うことがわかっています。
なかでも「インテリア・家具」「家電製品」の両方またはいずれかの購入にかかった平均費用は、52.1万円です。
結婚後に住む家を新たに賃貸契約する、マイホームを買うとなれば、その費用も必要です。
出産費用
出産にかかる費用は、以下の3つに分かれます。
- 妊娠中に定期検診するための費用
- 赤ちゃんを出産するための分娩・入院費用
- マタニティ用品・ベビー用品の購入費用
上記①②の金額は、以下の要素で大きく変わります。
- 妊婦生活や出産をする自治体
- 妊婦健診や出産をする医療機関
- 赤ちゃん・母体の状態 など
厚生労働省 保険局の資料「出産育児一時金について」によると、現在における出産育児一時金の支給額は、公的病院における室料差額などを除いた出産費用等を勘案したものとされています。その金額は、原則42万円です。
ただ、同資料によると令和3年度の状況では、室料差額などを除いた出産費用の平均値(異常分娩も含む)は、出産する病院によって以下の違いがあることがわかっています。
病院別の平均出産費用
病院の種類 | 平均費用 |
---|---|
全施設 | 462,902円 |
公的病院 | 418,810円 |
私的病院 | 486,880円 |
診療所(助産所を含む) | 472,258円 |
少しでも出産費用をおさえたい場合は、各地域の補助額や、各病院の基本的な費用などを確認しておくことも一つです。
最近では、子ども家庭庁が里帰り出産の支援強化を行っています。自宅近くに良い病院が少ない場合、里帰り出産を検討してみてもよいかもしれません。
子どもの教育費用
子どもの教育費用は、幼稚園・小学校・中学校・高校・大学までの間に「公立と私立、どちらの学校に通わせるか?」で大きく変わります。最近では、いわゆる授業料無償化などを始める都道府県も出てきましたが、従来の考え方でいえば「すべて公立の学校にしたほうが教育費用はおさえやすい」ということになります。
教育費用における目安額の情報は、さまざまな金融機関や保険会社などで公開されています。
例えば、日本政策金融公庫では、文部科学省や公益社団法人東京専修学校各種学校協会などの情報から、幼稚園~大学までを「すべてを公立にした場合」と「すべて私立を選択した場合」で、以下の金額がかかるとしています。
公立・私立 | 費用 |
---|---|
すべて公立にした場合 | 822.5万円 |
すべて私立にした場合 | 2307.5万円 |
このほかに、ピアノやスイミングなどの習い事や、学習塾の費用が加わることもあるでしょう。
マイホームの購入
マイホームの購入費用も、以下のような要素でかなり変わってくるものです。
- 戸建てか?マンションか?
- 新築か?中古か?
- どこで購入するか?
- どのくらいの広さか?
- (中古の場合)リフォーム・リノベーションは誰がやるのか? など
ただ、住宅金融支援機構による「2022年度 フラット35利用者調査」では、いわゆるマイホームを購入するときの所要資金は、以下の平均額であることがわかっています。
家の種類 | 所要資金 |
---|---|
マンション | 4,848万円 |
土地付注文住宅 | 4,694万円 |
建売住宅 | 3,719万円 |
注文住宅 | 3,717万円 |
中古マンション | 3,157万円 |
中古戸建 | 2,704万円 |
このほかに、例えばタダ同然の空き家物件を格安で購入し、自分でセルフリノベーションをした場合、500万円ほどで生活できるようになった事例もあります。
マイホームに住むまでに必要な金額は、「自分がどのような家に住みたいか?」や「どういう業者を使うか?」でかなり変わってくるといえるでしょう。
老後の生活費
人生100年時代に突入するなかでは、老後の生活費も蓄えておきたいところです。数年前には「老後2,000万円問題」が話題になりましたが、実のところはどうなのでしょうか。
老後の生活で必要なお金は、以下のような要素で変わってきます。
- 定年はあるのか?生涯現役で働くのか?
- 年金はどのくらいもらえるのか?
- どのようなレベルの生活をするのか?
- 持ち家か?賃貸住宅か? など
総務省の「家計調査報告-2024年(令和6年)4月分-」によると、二人以上世帯の消費支出は、1世帯あたり313,300円であることがわかっています。
最近では物価や光熱費が高騰していますから、この数字は将来的に変わる可能性も十分にあるでしょう。
また、高齢世帯の場合、若い世代と比べて医療費が膨らみやすいです。
厚生労働省の「年齢階級別1人当たり医療費(平成22年度)(医療保険制度分)」には、70代までは外来(入院外+調剤)の割合が高いものの、80代になると入院(入院+食事療養)の割合が高くなることが分かっています。
医療費が予測できない費用となりますが、健康面などで不安がある場合は、いわゆるシニア保険や長寿支援保険などに加入しておくことも一つです。
具体的にどのくらいの備えをすべきかわからない場合は、厚生労働省で公開している公的年金シミュレーターを使ってみてもよいでしょう。
生涯のライフイベントで必要なお金の目安のまとめ
今回は、以下5つのライフイベントでかかる費用と基本的な考え方を紹介しました。
- 結婚費用
- 出産費用
- 子どもの教育費用
- マイホームの購入費用
- 老後の生活費用
最近では、ライフスタイルが多様化したことで、生涯でかかる生活費用などにもかなりの開きが生じています。また、生涯で必要なお金は、自分だけでなく配偶者や子ども、両親といった家族の人数や事情でも変わってくるものです。
こうしたなかで人生100年時代を安心して過ごすためには、なるべく早めに人生の方向性を見極め、そのために必要な費用を算出しておくことも大切でしょう。
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