2024.7.11

節電につながるエアコン冷房の正しい使い方|冷房と除湿の違いや温度設定ポイントも解説

節電につながるエアコン冷房の正しい使い方|冷房と除湿の違いや温度設定ポイントも解説

近年の日本では、熱中症を防ぐために、梅雨の時期からエアコンを使わざるを得ない日が多くなっています。また、最近では、光熱費などの高騰から、支出の著しい増加に悩む家庭も多いです。

政府ではこうした現状を鑑み、電気代のおよそ1割補助を軸に調整を始めています。ただ、その制度は8月~10月の期間限定です。

こうしたなかで注目されているのが、正しいエアコンの使い方の実践による節電術です。今回は、エアコン節電への意識と理解度を確認したうえで、節電につながる適切なエアコンの使い方を解説します。真夏の電気代を少しでも減らしたい方は、ぜひ参考にしてください。

エアコン節電への意識と理解度

エアコン節電への意識と理解度

いわゆる物価高騰が続くなかで、夏の電気代をおさえる工夫に興味を持つ人の割合はとても多くなっています。

三菱電機の霧ヶ峰 PR事務局が2023年5月に行った「エアコン冷房の節電に関する理解度調査」によると、「今年の夏、電気代を抑えるための工夫をしようと思いますか。」という問いに対して、「必ず工夫する」「簡単にできる工夫があればする」と答えた人の割合は、なんと9割近くにのぼりました。

エアコン冷房の節電に関する理解度調査

引用:男女600人に【エアコン冷房の節電に関する理解度調査】を実施「全問正解者の割合は、わずか7.3%!」(三菱電機 霧ヶ峰PR事務局)

ただし、この9割の人たちは、具体的な節電方法を知り実践しているわけではありません。

同調査がエアコンの節電策の質問を5つ行ったところ、全問正解した人はたったの7.3%にとどまりました。このことは、多くの人が高い節電意識を持ちながらも、エアコン冷房を適切に使えていない実情を意味します。

現時点で適切な方法を実践できていないということは、正しい使い方を理解・実践することで、いま以上の節電ができる可能性が高いと考えてよいでしょう。

節電につながる正しいエアコンの使い方

節電につながる正しいエアコンの使い方

エアコンは、温度設定や使う機能によって、消費電力に大きな違いが出る家電です。少しでも電気代を減らしたい場合は、エアコンの特徴を理解したうえで、適切な使い方を実践することも大切になります。

ここでは、一般的に言われているエアコンの正しい使い方と、節電につながるポイントを解説しましょう。

電気代が安くなる機能を使う

真夏に使うエアコンの機能は、冷房もしくは除湿(ドライ)です。これらは「取り込んだ空気を冷やし、空気中の水分を結露で水にしたうえで室外の放出する」という点で、実のところ同じ仕組みを用いた機能になります。

ただ、具体的な分類は、温度湿度のどちらを重視するかで変わります。

冷房の場合、設定した「温度」になるまで室温を冷やすように運転します。これに対して除湿(ドライ)は、目標の「湿度」を意識した運転が行われるイメージです。

なお、除湿(ドライ)機能の中身や仕組みは、機種によって異なります。除湿における3つの種類と冷房を電気代が高い順に並べると、以下のとおりです。

  1. 再熱除湿
  2. 冷房
  3. 弱冷房除湿・ハイブリッド除湿

①の再熱除湿は、一度冷やした空気を再び暖める機能です。再熱除湿は電力を余計に消費する機能となります。③の弱冷房除湿もしくはハイブリッド除湿の機能がない場合は、冷房を使うのが最もお得です。

リモコン表示を見てもどのタイプの除湿かわからない場合は、メーカーのホームページや取扱説明書をチェックしましょう。

冷房は28度を目安にする

環境省では、冷房時の室温として28度設定を推奨しています。ただしこれは、設定温度の話ではありません。

冷房の設定温度は、1度上げるだけで約10%の節電効果が得られるとされています。そのため、エアコンの温度設定をするときには、28度を目安として不快にならない範囲内で調節していくとよいでしょう。

1時間以内の外出なら「つけっぱなし」が良いことも

エアコンは、暑い部屋を一気に冷やすときに最も多くの電力を消費します。そのため、エアコンの消費電力をおさえるためには、なるべく室内外の温度差が生じないようにすることが大切です。

また、エアコンをこまめに付けたり消したり……を繰り返した場合、起動時に多くの電力を使うことになります。そのため、以下のような短時間の外出であれば、エアコンを消さないほうが電気代の節約になる可能性が高いでしょう。

エアコンを消さない方がいい場合
  • 朝のゴミ出し
  • 1時間以内で戻る散歩や買い物
  • 数十分の入浴や家事で部屋から離れるとき など

扇風機やサーキュレーターを併用する

扇風機やサーキュレーターを使用する

引用元:アイリス暮らし便利ナビ サーキュレーターの使い方~冷暖房に効果的な設置方法~

扇風機やサーキュレーターは、エアコンによる冷房効率をあげるうえで上手く活用したい家電です。扇風機やサーキュレーターを使うときには、下に溜まった冷気を循環させることがポイントになります。

基本的な使い方としては、エアコンを背にするイメージで扇風機・サーキュレーターを設置するのがおすすめです。これらの家電を活用すると、エアコンがない隣の部屋やロフトを効率よく冷やしやすくなります。

外出から帰ってきてエアコン起動前に室内の換気をしたいときにも、扇風機やサーキュレーターの活用がおすすめです。

定期的にフィルター掃除を行う

エアコンのフィルターにホコリが溜まると、冷暖房効率が低下します。

一般的には、月1~2回のフィルター掃除で、5~10%の節電が可能になるとされています。また、大手空調メーカーのダイキン工業では、フィルター掃除を1年行わないだけで約25%もの電気代が無駄になるとしています。

少しでも電気代をおさえたい場合は、多少面倒でもエアコンを止めてフィルター掃除をこまめに行ったほうがよいでしょう。

特殊繊維のカーテンや間仕切りを使う

冷房効率を高めるためには、いわゆる間仕切りや特殊繊維のカーテンなどを活用することも一つです。これらのアイテムを設置すると、以下の効果が得られやすくなります。

特殊繊維カーテンなどを使うことで得られる効果
  • エアコンで冷やした空気が外に逃げにくくなる
  • 外からの直射日光や暖気を遮断しやすくなる

いわゆる遮光・遮熱カーテンは、普通のカーテンと同様に1年中使えるものです。種類も豊富であるため、自室のインテリアとあわせて購入するのもおすすめです。また、戸建てなどの場合は、遮熱効果の高い生地を使ったサンシェードを設置すると、地面からの照り返しの熱を半減できたりします。

期待できる効果は、使っている生地の種類や設置場所などによって異なります。例えば遮熱カーテンといっても、遮熱率はさまざまです。

ホームセンターやインテリア専門店などで自分の部屋に合うものを探してみるとよいでしょう。

節電につながるエアコン冷房の正しい使い方のまとめ

節電につながるエアコン冷房の正しい使い方のまとめ

今回は、エアコンの正しい使い方や節電ポイントを以下6つの観点から紹介しました。

エアコンの正しい使い方や節電ポイント
  • 電気代が安くなる機能を使う
  • 冷房は28度を目安にする
  • 1時間以内の外出なら「つけっぱなし」が良いことも
  • 扇風機やサーキュレーターを併用する
  • 定期的にフィルター掃除を行う
  • 特殊繊維のカーテンや間仕切りを使う

上記の方法は、涼しい部屋で快適に過ごすうえでも実践するメリットが高いものとなります。まずは温度設定やフィルターの掃除といった簡単にできるものから、実践してみてください。

マネクラではお客様のお金に関する相談に無料で対応しております。マネクラFPがしっかりとヒアリングさせていただき、お客様にあったプランニングをさせていただきます。是非お気軽にお問い合わせください。

まっさん先生

監修者まっさん先生

ファイナンシャルプランナーとして15年、プランニングに関しては5000人以上の実績あり。中立的な立場から無駄・無理のないライフプランをプランニングしています。自身でも独身時代から不動産投資や株式投資などの様々な投資や節税対策を実践しており、失敗談等を交えた等身大のコンサルティングに定評がある。

特に節税分野に関しては国税出身の専門税理士と幅広く協業しており、法人を活用した個人の所得税関係のライフプランニングを得意としている。

プライベートでは、1男1女の父親として育児に奮闘中。家族単位で将来を見据え計画的に資産を形成していくライフプランニングが特徴。