2024.6.16

住宅ローン・リフォームローン・リフォーム一体型住宅ローンの違い|リフォーム&リノベの人気理由も解説

住宅ローン・リフォームローン・リフォーム一体型住宅ローンの違い|リフォーム&リノベの人気理由も解説

リフォームリノベーションは、お洒落で快適なマイホームを安く手に入れたい人たちの間で注目される施工です。

リフォームとリノベーションは厳密にいえば異なる施工ですが、「古い物件に手を加えて、手頃な価格で自分好みの家をつくる」という広い意味で多くの層から注目が集まっています。また、近年ではマイホームを安く手に入れたい個人だけでなく、不動産業界や建築業界でもこの手法に注目する企業が多くなりました。

個人が中古物件にリフォームやリノベーションをする場合、一つ注意点があります。それは、使えるローンに複数の種類がありそれぞれに注意点が存在することです。

この記事では、近年の日本でリフォームやリノベーションが注目される理由と、この施工方法に興味を持つ個人の選択肢を確認します。そのうえで、個人がリフォームもしくはリノベーションをするときに使えるローンの種類と注意点を解説しましょう。

不動産業界で注目されるリフォーム&リノベーション

不動産業界で注目されるリフォーム&リノベーション

まず、リフォームとリノベーションは、既存の建物に手を加える施工です。ただ、厳密な話をすると、この両者には以下の違いがあります。

  • リフォーム:老朽化した設備や建物を新しい状態に戻すこと
  • リノベーション:既存の建物に手を加えて、新しい価値を生み出すこと

建築リフォーム会社のなかには、これらの用語をあえて分けず「リフォーム&リノベーション」のような形で施工事例などを紹介するところもあります。この記事でも、同じ捉え方で解説していきましょう。

リフォーム&リノベーションが注目される理由

近年の不動産市場や建築市場でリフォーム&リノベーションが注目される背景には、2つの要因があります。

リフォーム&リノベーションが注目される理由
  1. 新築住宅を建てるためのコストが上がっているため
  2. リフォームやリノベーションにポジティブなイメージが生まれているため

1つ目は、建築資材や人件費の高騰で、新築住宅を建てるためのコストも上がっていることです。一方で、購入した中古物件にリフォームやリノベーションを施すと、多くのケースで費用をかなりおさえられることがわかっています。

2つ目の理由は、最近では人気セレクトショップのBEAMSや、雑貨店の無印良品などがリノベーション市場に参入したことで、中古物件にリフォームやリノベーションを施すことに「お洒落」や「センスがいい」などのポジティブなイメージが生まれていることです。

こうしたセレクトショップなどの影響から、リフォームやリノベーションの施工対象となるいわゆる古民家や団地なども注目されやすくなりました。

リフォーム&リノベーションにおける2つの種類

「リフォーム&リノベーションされた家を買う・住むこと」には、以下2つの種類があります。

  1. 建築会社や不動産業者が施工した「リフォーム・リノベーション済み物件」を買う
  2. 中古物件を買い、「セルフリフォーム・セルフリノベーション」をする

それぞれ見ていきましょう。

①建築会社や不動産業者が施工した「リフォーム・リノベーション済み物件」を買う場合

購入者が自分でリフォーム&リノベーションを実施する必要はありません。そのため、マイホームを手に入れるために必要な手続きは「中古物件の購入」と同じです。

②中古物件を買い、「セルフリフォーム・セルフリノベーション」をする場合

買った中古物件にリフォームやリノベーションの工事をする必要があるため、手続きの流れやお金の払い方なども①と比べて少し複雑になります。

なかでも特に複雑性が高いのが、選択できるローンの種類です。ここからは、中古物件の購入後にリフォーム&リノベーションをする際に使える以下3つのローンについて詳しく解説しましょう。

中古物件購入後に使える3つのローン
  • 住宅ローン
  • リフォームローン
  • リフォーム一体型住宅ローン

リフォーム&リノベーションで使える「住宅ローン」

リフォーム&リノベーションで使える「住宅ローン」

住宅ローンは、新築・建売・中古などの住宅購入で使えるローンです。ただし、金融機関にのなかには、物件の購入費用に加えてリフォームやリノベーションの費用も含める形で住宅ローンを使うことを認めているところもあります。

住宅ローンのメリット

住宅ローンを使う最大のメリットは、後述するリフォームローンなどと比べて金利が安く返済期間が長い点です。また、リフォームローンと比べて借入できる金額が大きいです。

大規模なリノベーション工事で費用が高額になった場合、借り入れできる金額・金利・返済期間のすべてで住宅ローンを選択するメリットも大きくなります。

住宅ローンでリフォーム&リノベーションをする際の注意点

住宅ローンの場合、基本的に購入した物件を担保とします。ただ、例えば、今回購入する物件のほかに既に住宅ローンを借り入れている場合、第一順位の抵当権がすでに設定登記されている理由から、新たな住宅ローンの借り入れ条件がクリアできないかもしれません。

注意ポイント

住宅ローンは、審査が厳しいうえに審査時間がかかることも、相対的なデメリットになります。

リフォーム&リノベーションで使える「リフォームローン」

 リフォーム&リノベーションで使える「リフォームローン」

リフォームローンとは、その名のとおりリフォームやリノベーション向けの金融商品です。以下の特徴から、住宅ローンの審査に通らなかったりリフォーム一体型住宅ローンへの借り換えが難しかったりする場合の選択肢になります。

リフォームローンのメリット

リフォームローンの大きな特徴は、担保不要で住宅ローンと比べると審査に通りやすいことです。審査期間は、住宅ローンが2週間前後係るのに対して、リフォームローンは最短1日~1週間ほどで審査が完了します。

融資額が大きくなったときに審査が厳しくなるのは、住宅ローン等と同じです。

リフォームローンでリフォーム&リノベーションをする際の注意点

リフォームローンには、住宅ローンと比べて以下3つのデメリットがあります。

リフォームローンのデメリット
  • 金利が高めである
  • 借入期間が短いことが多い
  • 融資上限金額が低い

上記の特徴から、リフォームローンを選択した場合、住宅ローンと比べて月々の返済額が高くなりやすいです。

また、かつては上限2,000万円ほどまで借りられるリフォームローンもありましたが、近年では住宅ローンの利用範囲がひろがったことで、1,000万円を超えるような大規模リノベーションではリフォームローンはあまり使われなくなってきています。

リフォーム&リノベーションで使える「リフォーム一体型住宅ローン」

リフォーム&リノベーションで使える「リフォーム一体型住宅ローン」

リフォーム一体型住宅ローンとは、中古物件の購入費用とリフォーム・リノベーションの費用を一括借り入れできる商品です。

リフォーム一体型住宅ローンのメリット

リフォーム一体型住宅ローンの魅力は、リフォームローンと比べて金利が安く借入期間が長いことです。住宅ローンとリフォームローンの中間的な位置づけと考えてよいでしょう。

また、リフォーム一体型住宅ローンの場合、物件用の「住宅ローン」とリフォーム用の「リフォームローン」をそれぞれ別に契約するよりも、管理がシンプルになる利点もあります。

このことは、ローンに関する諸経費をおさえられる利点にもつながります。

リフォーム一体型住宅ローンを使う際の注意点

リフォーム一体型住宅ローンの審査では、物件購入費用とリフォーム・リノベーション費用の書類を両方用意する必要があります。そのため、リフォーム一体型住宅ローンを利用する場合、ローン審査までにリフォームやリノベーション工事の計画を立てたうえで、施工会社から「工事見積書」や「工事請負契約書」を出してもらう必要があります。

注意ポイント

この商品を取り扱っている金融機関は、住宅ローンやリフォームローンほど多くありません。リフォーム一体型住宅ローンを希望する場合、早めに取り扱い金融機関を探しておいたほうがよいでしょう。

住宅ローン・リフォームローン・リフォーム一体型住宅ローンの違いまとめ

住宅ローン・リフォームローン・リフォーム一体型住宅ローンの違いまとめ

今回は、近年リフォーム・リノベーションが注目される背景を紹介したうえで、これらの施工に必要となるローンについて詳しく解説しました。選択可能なローンの種類は、契約者の属性や金融機関によっても異なります。セルフリノベーションやリフォームでローンを使うときには、早めに情報収集や比較検討をしておいたほうがよいでしょう。

マネクラではお客様のお金に関する相談に無料で対応しております。マネクラFPがしっかりとヒアリングさせていただき、お客様にあったプランニングをさせていただきます。是非お気軽にお問い合わせください。

まっさん先生

監修者まっさん先生

ファイナンシャルプランナーとして15年、プランニングに関しては5000人以上の実績あり。中立的な立場から無駄・無理のないライフプランをプランニングしています。自身でも独身時代から不動産投資や株式投資などの様々な投資や節税対策を実践しており、失敗談等を交えた等身大のコンサルティングに定評がある。

特に節税分野に関しては国税出身の専門税理士と幅広く協業しており、法人を活用した個人の所得税関係のライフプランニングを得意としている。

プライベートでは、1男1女の父親として育児に奮闘中。家族単位で将来を見据え計画的に資産を形成していくライフプランニングが特徴。