2024.11.30

生命保険・損害保険のトラブル事例|保険料や保険金の失敗を防ぐポイントも解説

生命保険・損害保険のトラブル事例|保険料や保険金の失敗を防ぐポイントも解説

生命保険や損害保険は、万が一の備えとして非常に重要な役割を担います。ただ、加入した保険が自分のニーズやイメージと合わないものだった場合、いわゆる保険トラブルに遭うことがあります。

では、保険トラブルとは、一体どういうことを指すのでしょうか。また、保険加入によるトラブルを防ぐためには、どういった対策が必要なのでしょうか。

今回は、一般的な保険トラブルの4事例を紹介します。そのうえで、保険トラブルに遭うことなく、納得の保険料で適切な補償を受けるために必要なポイントを解説しましょう。

保険加入で起こりやすい4つのトラブル事例

保険加入で起こりやすい4つのトラブル事例
保険トラブルには、法律上の定義がありません。

一般的には、保険加入するなかで後述する何らかの問題が起こり、生命保険協会生命保険相談所や日本損害保険協会そんぽADRセンターなどの業界団体への相談が必要となったり、しかるべき機関などに相談できず泣き寝入りになったりすることを保険トラブルと呼ぶことが多いです。

ここでは、加入者が「こんなはずじゃなかった!」と感じることが多い保険トラブルや失敗例を詳しく見ていきましょう。

保険金や給付金が支払われなかった

保険加入者の失敗で非常に多いのは、保険会社に保険料を払い続けているにも関わらず、病気やケガ、事故などに見舞われたときに保険金や給付金などのお金が支払われないトラブルです。生命保険の場合、以下いずれかの理由で起こることが多くなっています。

  1. 支払事由に該当しない場合
  2. 免責事由に該当している場合
  3. 告知義務違反による解除の場合
  4. 重大事由による解除・詐欺による取消に該当する場合

たとえば、自分が入院した日数が約款で決められた数字に満たければ、支払いは行われません。また、たとえば同じ年に既に何回か入院をしていて、約款で決められた支払い日数の限度を超えてしまった場合も、支払事由に該当しないと判断されるでしょう。

②の免責事由とは、保険金や休暇などが支払われない事由のことです。たとえば、保険契約者である本人もしくは保険金の受取人の故意による死亡だった場合、免責事由に該当することで支払いは行われません。この免責事由は、いわゆる保険金殺人などの不正を防ぐために定められているものでもあります。

③の告知義務違反とは、わかりやすく言えば、自分の健康状態・職業・傷病歴などについて、故意もしくは重大な過失で事実を告げずに保険加入した場合のことです。

具体的な申告内容は保険商品によって異なりますが、多くの生命保険の場合、過去数年間で不整脈・高血圧・白内障・胃潰瘍などで医師の診察を受けていれば、入院・手術が必要な状態でなかったとしても、申告が求められます。

そこでたとえば自分に不整脈による診察歴があることを隠し、生命保険に加入した場合、不整脈による入院・手術では告知義務違反で保険金などが支払われない可能性が高いでしょう。

補償が足りず実費が必要となってしまった

火災や自動車などの損害保険で多いのが、月々の保険料が安い保険に加入したり特約を削ったりしたことで、満足の補償が得られないケースです。

たとえば、自動車の車両保険には、補償範囲に応じて以下のような種類があります。

  1. 一般車両(一般タイプ、ワイドカバー)
  2. 車対車+A(エコノミータイプ、限定カバー)
  3. 車との衝突のみ など

②と③は、単独事故や当て逃げなどでは補償が得られないことが多い種類です。これに対して①であれば、単独事故や当て逃げもカバーされます。

保険の種類や特約には、絶対的な正解はありません。

買ったばかりの新車について、当て逃げなどのリスクにも備えたい場合、それなりに高い保険料を払っても①の一般車両を選択することが理想になります。

月々の保険料を安くおさえたい場合は、②もしくは③を選択し、万が一に備えて修理費用を現金で貯めておくという考え方もあるでしょう。

不必要なオプションにたくさん入っていた

保険営業をしている友人などの勧めで保険加入する場合、相手を信用して契約内容をすべてお任せにすることで、自分のニーズよりはるかに大きい金額の保険商品に加入し、特約をたくさんつけてしまうケースがよくあります。

保険は万が一の備えですから、先述のように補償や特約が不足するよりは「大は小を兼ねる」という考え方もあるかもしれません。ただ、いまは効果性の高い資産形成が必要となる人生100年時代です。こうした時代に不要な保険や特約にたくさん入ることは、老後の資金にもなりうる大事なお金を溝に捨てているのと一緒かもしれません。

自分の認識とはまったく異なる保険商品に加入していた

近年では、いわゆるマネープランナーやファイナンシャルプランナーの勧めで外貨建て生命保険に加入したことによる、国民生活センターへの相談も増加傾向にあります。

外貨建て生命保険とは、米ドルなどの外貨で保険金の受取や保険料の支払いをするものです。外貨建ての場合、為替変動による損益や手数料の負担といった日本の保険にはないリスクがあります。

保険のトラブル事例とその内容
トラブル事例 内容
保険金が支払われなかった 支払事由や告知義務違反で支払いなし
補償不足 安い保険で補償範囲が狭い
不必要なオプション 過剰な特約に加入
異なる保険商品 認識と異なる商品に加入

保険トラブルや失敗を防ぐポイント

保険トラブルや失敗を防ぐポイント

保険トラブルや失敗の多くは、契約前の入念な情報収集や注意・工夫をすることで防げるものです。ここでは、保険初心者でも簡単にできるトラブル防止対策を3つ紹介しましょう。

保険加入の目的やニーズを明確化する

保険に加入するときには、まず「自分はなぜ保険に入るのか?」という目的やニーズを明確にします。たとえば、火災保険に入る場合、自分の家が河川の近くであれば水災への備えを厚くする必要があります。一方で自宅が高台にあり水災のリスクがかなり低い場合は、水災よりも火災・雪災・風災などの重要性が増すでしょう。

このように、保険に対するニーズは、人によって大きく異なります。そのため、生命保険や損害保険などへの加入を検討する際には、「自分はなぜ保険に入るのか?」や「どんな補償を重視するのか?」を整理しておくことが大切です。

複数社から相見積もりをとる

新しく保険に加入するときには、複数の保険会社に相談し相見積もりをとるのがおすすめです。同じ希望条件の見積もりを複数取得すると、以下のような気づきが得られやすくなります。

  • A社は保険料が少し高いけど、自分の希望する補償はすべてついてくる
  • B社は保険料が安いけど、担当者の対応があまりよくなかった
  • C社の〇〇特約は、絶対につけておきたい
  • 月々1万円が相場だと思っていたけど、月々7千~8千円の会社も結構ある

多くの見積もりをとるなかで上記のような気づきがあれば、保険会社の担当者に流されて必要以上の特約をつけたり、高い保険料の契約を受け入れてしまったりするトラブルも防ぎやすくなるでしょう。

わからないことをそのままにしない

保険契約に出てくる用語は、納得の契約をするうえで必ず知っておくべきものです。たとえば、保険会社から届いた見積書に「わからない用語」や「初めて見る特約」などが並んでいた場合、その疑問や違和感をスルーせずに相手方に確認することが大切になります。

また、公益財団法人 生命保険文化センターのサイトでは、生命保険に関する用語辞典を公開中です。こうした用語集は、大手の保険会社などでも公開しています。

知らない用語の意味を調べたり担当者に質問したりする作業は、かなり面倒かもしれません。ですが、必要以上の保険料を支払ったり、必要なときに補償が得られなかったりするトラブルを防ぐうえでは、必ずやっておくべき作業となるでしょう。

便利な保険アプリについて「【2024年版】便利な保険アプリ4選|保険の情報管理と見直しの重要性も解説」の記事で紹介しているのでぜひご覧下さい。

生命保険・損害保険でトラブルを防ぐポイントのまとめ

生命保険・損害保険でトラブルを防ぐポイントのまとめ

保険加入によるトラブルは、余計なお金を溝に捨てずに安心な毎日を過ごすうえで絶対に防ぐべきものとなります。近年では、生命保険や損害保険の一括見積もりサイトなども登場しています。こうした便利なサイト・サービスなどをうまく活用して、自分に合う保険に加入してみてください。

マネクラではお客様のお金に関する相談に無料で対応しております。マネクラFPがしっかりとヒアリングさせていただき、お客様にあったプランニングをさせていただきます。是非お気軽にお問い合わせください。

まっさん先生

監修者まっさん先生

ファイナンシャルプランナーとして15年、プランニングに関しては5000人以上の実績あり。中立的な立場から無駄・無理のないライフプランをプランニングしています。自身でも独身時代から不動産投資や株式投資などの様々な投資や節税対策を実践しており、失敗談等を交えた等身大のコンサルティングに定評がある。

特に節税分野に関しては国税出身の専門税理士と幅広く協業しており、法人を活用した個人の所得税関係のライフプランニングを得意としている。

プライベートでは、1男1女の父親として育児に奮闘中。家族単位で将来を見据え計画的に資産を形成していくライフプランニングが特徴。