冷蔵庫(冷凍庫)を正しく使って電気代を節約|すぐ実践できる7つのポイントを解説
冷蔵庫(冷凍庫)は、正しい使い方の実践によって節電効果が得られやすい家電です。家電評論家の中には、冷蔵庫を正しく使うことで10〜20%もの節電効果が期待できるという声もあります。
今回は、冷蔵庫(冷凍庫)と電気代の関係を確認したうえで、節電につながる正しい使い方を解説します。猛暑の夏に少しでも電気代を抑えたい方は、ぜひ記事を参考にしてください。
INDEX
冷蔵庫はどのくらいの電気代がかかる家電なのか
冷蔵庫の使用でかかる電気代は、冷蔵庫のスペックや使い方、各家庭のライフスタイルによって変わってくるものです。そのため、「冷蔵庫を使うとこれだけの電気代がかかる」というのは明言できるものではありません。
ただ、ほかの電化製品との比較で見ると、冷蔵庫はエアコンに次いで2番目に消費電力量が多い家電と位置づけられることが多いです。
たとえば、環境省が公開する「令和3年度 家庭部門のCO2排出実態統計調査事業委託業務(令和3年度調査分の実施等)報告書」によると、家庭 CO2 統計の世帯当たり年間電力消費量から構成比を算出すると、以下のように冷蔵庫が14.3%で第2位になることがわかります。
引用:令和3年度 家庭部門のCO2排出実態統計調査事業委託業務(令和3年度調査分の実施等)報告書(株式会社インテージ・株式会社住環境計画研究所)
冷蔵庫による消費電力量が全体の14.3%を占めるということは、節電による影響度もそれなりに大きいと考えられるでしょう。
節電につながる正しい冷蔵庫の使い方
冷蔵庫と冷凍庫は、庫内を設定温度に保ち続けることで食材の鮮度を保ちます。一般的には、冷蔵庫が0~10度、冷凍室が-18度以下に設定されています。
これから紹介する正しい使い方は、庫内を効率よく冷やし、設定温度を維持するためのものです。庫内が冷えやすくなると、食材の鮮度も保ちやすくなります。
無理のない範囲で実践してみましょう。
なるべく涼しい場所に設置する
冷蔵庫を設置する場所も、電気代に影響する要素です。以下のような場所に冷蔵庫を設置すると、外部からの影響を受けることで庫内の冷却性能にも支障が出やすくなるので避けましょう。
- 直射日光があたる場所
- 猛暑の外気温と変わらない場所
- ガスコンロなどの熱源の近く など
広い台所のなかで冷蔵庫の移動が可能な場合、最適な設置場所はどこかを一度考えてみてもよいかもしれません。
壁から離して設置する
冷蔵庫は、内部を冷やしたときに放熱する家電です。冷蔵庫を壁と密着した状態で設置すると、放熱がうまくできず庫内も冷えにくくなります。その結果、多くの電力を消費することになり、電気代が増えやすくなるのが一般的です。
なお、経済産業省が公開する「省エネ性能カタログ 2022年版」では、冷蔵庫の上と両側を壁に接する状態をやめて、5cm~30cmの適切な間隔で設置すると、年間で電気 45.08kWhの省エネ、約 1,220円の電気代節約になるとしています。
最適な間隔は、冷蔵庫の商品やメーカーによって異なります。詳しい数字は、取扱説明書やメーカーの公式ページで調べてみてください。
冷蔵庫は食品を詰め込みすぎない
冷蔵庫にたくさんの食品を詰め込みすぎると、冷気の通り道が妨げられて、庫内を均一に冷やすことが難しくなります。庫内が冷えにくくなれば、たくさんの電力を使わざるを得なくなるでしょう。
また、あまり冷えない冷蔵庫に大量の食品を入れておけば、鮮度の低下も早く進み、食品が腐りやすくなります。
なお、経済産業省の「省エネ性能カタログ 2022年版」では、食品の詰め込みをやめて収納量を半分にした場合、年間で電気43.84kWhの省エネ、約 1,180円の節約が可能になるとしています。
冷凍庫は多くの食品を隙間なく詰め込む
一方で冷凍庫は、たくさんの食品を隙間なく詰めておくのがおすすめです。その理由は、凍った食品が保冷剤の役割を担い、ドアの開け締め時の温度上昇をおさえられるからとなります。
生鮮食料品で冷蔵庫がフルに詰まった状態の場合、すぐ使わないものを冷凍室に移してもよいでしょう。
熱い食品は冷ましてから入れる
たとえば、できたてのカレーなどを熱いままの状態で冷蔵庫に入れると、そのカレーが庫内の温度を上げる原因になってしまいます。
ただ、ここで一つ注意点があります。それは、カレーなどの料理は、早く冷やさないと食中毒の原因となるウェルシュ菌などが繁殖しやすくなる点です。
カレーなどの料理を作った場合は、大きめのボールなどに氷と水や保冷剤を入れて、そこでタッパーウェアなどに入れたカレーを冷やしてから、冷蔵庫に入れることがおすすめとなります。
ドアを何度も閉会したり開けっぱなしにしない
冷蔵・冷凍ドアを何度も開閉したり、食品を探すために長く開けっ放しにしたりすると、その間に冷気が逃げて、台所の温かい空気が庫内に入ってしまいます。ドアの開閉を頻繁に繰り返せば、いつまで経っても庫内は冷えません。
冷蔵・冷凍庫内を効率よく冷やし節電をするためには、以下のような工夫でドアの開閉時間や回数を減らすことが必要となります。
- 庫内を整理しておく
- 何を取り出すかを決めてからドアをあける
- 開閉時間・回数を減らす家族ルールをつくる
- 冷蔵・冷凍ドアにチャイルドロックをつける(赤ちゃんが興味本位で開けるのを防ぐため)
冷蔵庫の背面を掃除する
冷蔵庫の背面にホコリが溜まると、放熱がうまくできないことで庫内を効率よく冷やせなくなります。冷蔵庫の場合、設置状況によっては背面の掃除ができないことがありますが、もし可能であれば、実施したほうがよいでしょう。
涼しい時期に内部の掃除や整理を行うと、奥に放置された賞味期限切れの食材などの処分もしやすくなります。
パッキンの手入れや確認をする
冷蔵・冷凍ドアをしっかり閉めるうえで、ドアのパッキンは大切な役割を担います。ただ、ドアパッキンには、冷蔵庫を長期間使ったり汚れを放置したりすることで劣化し、密着性が低下する特徴があります。冷蔵・冷凍室のドアがいつの間にか開いてしまうことが増えた場合、ドアパッキンの劣化を疑ったほうがよいかもしれません。
ドアパッキンは、メーカーから取り寄せて自分で交換できる場合と、購入店やメーカーに修理の相談が必要な場合があります。パッキンの劣化を放置すれば、庫内の温度は上がりやすくなります。劣化している場合は、早めの対処をしたほうがよいでしょう。
古い冷蔵庫で部品がどこにもない場合、修理は難しいです。この場合に冷蔵庫の買い替えをすぐできないときには、先述のチャイルドロック(サイドロック)で対処するのも一つになります。
節電につながるエアコン冷房の使い方については「節電につながるエアコン冷房の正しい使い方|冷房と除湿の違いや温度設定ポイントも解説」の記事をご覧ください。
冷蔵庫を正しく使って電気代を節約するまとめ
今回は、電気代の節約につながる正しい冷蔵庫(冷凍庫)使用のポイントを7つ紹介しました。
- なるべく涼しい場所に設置する
- 壁から離して設置する
- 冷蔵庫は食品を詰め込みすぎない
- 冷凍庫は多くの食品を隙間なく詰め込む
- 冷凍庫内は多くの食品を隙間なく詰め込む
- 冷蔵庫の背面を掃除する
- パッキンの手入れや確認をする
上記の複数項目を実践することで、年間で数千円以上の電気代を節約できます。無理のない範囲でできることから挑戦してみてください。
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