リフォームやリノベーションにかかる費用をおさえるためには、国や自治体が用意している補助制度や助成金制度を活用するのがおすすめです。
今回は、令和6年5月2日時点の情報をもとに、住宅リフォームやリノベーションで使える代表的な制度を国・地方自治体・税制に分けて紹介します。将来的にリフォーム工事を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
INDEX
リフォーム・リノベーションで使える「国」の補助制度
国土交通省の公式サイトでは、令和6年5月2日現在、国が提供する8つの支援制度を公開しています。
住宅リフォームの支援制度 ※令和6年5月2日時点(国土交通省)
ここでは、なかでも代表的な3制度の概要を紹介しましょう。
住宅省エネ2024キャンペーン
この制度は、日本政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル」の実現に向けて、家庭部門の省エネを強力に推進することを目的としています。住宅の断熱性の向上、窓のリフォーム、高効率給湯器の導入といった住宅の省エネ化を支援する以下の4つの補助事業の総称です。
- 子育てエコホーム支援事業
- 先進的窓リノベ2024事業
- 給湯省エネ2024事業
- 賃貸集合給湯省エネ2024事業
①~③の場合、リフォームは「工事の発注者」、新築住宅は「家の取得者」が補助対象となります。
交付の申請期間は、このキャンペーンがあらかじめ設定した予算に達するまでです。
長期優良住宅化リフォーム推進事業
以下のようなリフォームのなかでも、特に既存住宅ストックの長寿命化に該当する優良な取り組みに対して、国が費用の一部を支援する制度です。
- インスペクションの結果に基づくリフォーム
- 性能向上を目的としたリフォーム
- 複数世帯が同居するためのリフォーム など
この制度には、以下の2つの申請タイプが設けられており、事業タイプによって選択できるもの・できないものがあります。
引用元:長期優良住宅化リフォーム推進事業
評価標準型の場合「1住戸につき80万円」、認定長期優良住宅は「1住戸につき160万円」が上限です。
子育て支援型共同住宅推進事業
賃貸集合住宅のオーナーが、そこに居住する子育て世帯のために利用する制度です。大きく分けて以下2つの目的で活用できる制度になります。
- 賃貸マンションやアパート内で起こりうる、子どもの事故を防ぐための工事
- 賃貸マンションやアパート内で暮らす子育て世帯同士で、コミュニティを形成するための工事
子育て世帯向けに区分マンション投資をするなどの場合、利用しやすい制度です。
リフォーム・リノベーションで使える「自治体」の補助制度
各自治体でも、リフォームやリノベーションで使える制度を用意していることがあります。また、以下のサイトを使うと、自分が住んでいる都道府県や市区町村の支援制度を検索することが可能です。
地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト(一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会)
ここでは、東京都と千葉県木更津市で用意する2つの支援制度を紹介しましょう。
東京都既存住宅省エネ改修促進事業
2030年までに温室効果ガス排出量を2000年比で50%削減する「カーボンハーフ」の実現に向けて設置された制度です。以下2つにかかる費用の一部を東京都が補助するものとなります。
- 現在の省エネ性能を知る目的の「省エネ診断」
- 省エネ改修を目的とする「省エネ設計等」
補助対象者は、「住宅の所有者」と「共同住宅等の管理組合」です。省エネ診断の場合、補助率が3分の2、上限額が1戸あたり16万円になります。
空き家リフォーム助成事業
日本全国で空き家問題が注目されるなか、空き家での居住や有効活用に向けたリフォームに補助金を出す自治体が多くなっています。
例えば千葉県木更津市の制度は、「登録空き家を居住することを目的として行うリフォーム又は特定施設として利用することを目的として行うリフォーム」に対して助成されるものです。
居住リフォームの場合、補助対象経費に50%を乗じた額が支給されます。限度額は、50万円+最大で150万円です。
リフォーム・リノベーションで使える「税」の優遇制度
住宅のリフォームやリノベーションを行うと、税制の特例が受けられることもあります。税制優遇・特例のなかには、住宅物件などの購入時に活用できる制度も多いです。
ここでは、住宅リフォーム時に使える代表的な2つの特例制度を紹介しましょう。
リフォーム減税
2024年5月2日現在、いわゆるリフォーム減税と呼ばれる特例措置には、以下3つの種類があります。
- 「所得税」の住宅ローン減税
一定のリフォームを行う際に10年以上のローンを組んだ場合に、所得税から毎年の住宅ローン残高の0.7%を10年間控除できる制度です。 - 「所得税」のリフォーム促進税制
一定のリフォームを実施した場合に、それぞれの対象工事で定められた限度額の範囲内で、標準的な費用相当額の10%を所得税額から控除できる制度です。対象工事には、耐震・バリアフリー・三世代同居・子育て……と、7つの種類が用意されています。 - 「固定資産税」のリフォーム促進税制
一定のリフォームを実施した場合に、それぞれの対象工事で定められた一定割合を固定資産税から減額できる制度です。耐震・バリアフリー・省エネ・長期優良住宅化の工事で利用できます。
住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置
贈与を受けた年の1月1日時点で満20歳以上の個人が、親や祖父母などから資金の贈与を受けて行う一定の住宅リフォームについて、一定金額までの贈与に対する贈与税が非課税になる制度です。
当初は、住宅取得等資金に係る贈与を受ける期間が平成27年1月1日~令和3年12月31日とする制度だったのですが、適用期間の延長が行われたことで、現在では受贈にかかる適用期限を令和8年末までとしています。
令和6年度の税制改正で、制度内容も少し変わっています。この制度を利用するときには、最新の情報を確認してください。
住宅リフォーム・リノベーションで使える補助制度のまとめ
今回は、リフォーム・リノベーションで使える代表的な補助制度や税の特例制度を7つ紹介しました。
国の補助制度
- 住宅省エネ2024キャンペーン
- 長期優良住宅化リフォーム推進事業
- 子育て支援型共同住宅推進事業
自治体の補助制度
- 東京都既存住宅省エネ改修促進事業
- 空き家リフォーム助成事業(千葉県木更津市)
税の特例制度
- リフォーム減税
- 住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置
自治体のところで触れたとおり、補助制度のなかには、各市区町村が独自に設けているものもあります。リフォーム・リノベーションや、そのための住宅取得費用を少しでもおさえたい方は、早めに国や各自治体の情報を調べてみてください。
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